母なる海へ 私より

私は女の子が好きなのかもしれないって思うことがよくある。

小さい頃、森下裕美の「夜海へ還るバス」という漫画を読んだ。女性が好きかもしれないと悩む女性を描いた物語。同性愛をテーマにしたその内容は、当時の幼い私には未知の世界過ぎた。その時の私は、まだ社会のことを何も知らなくて、性がなんたるか、自分の性が社会の中でどういう立場で、どういう意味合いを持つのか全く分かってなかった。だから主人公の感情描写に対してもどこか他人事で、全く、1ミリも理解できなかった。あの頃よりは少し大人になった今ちゃんと読み返したら、何かしらの答えが得られるかもしれない。かもしれないけど、読むのがとても怖い。主人公は、森下裕美は、女の子とセックスできる可能性を22歳の私に示してしまうかもしれない。それは何者にもなりたくないし、何者にもなりたい私にとって、救いであり絶望なんだけど、わかるかな